ソリッドな感じで疾走感あふれる歌い方がかっこいい
――Hi-yunkプロジェクト先行配信第1弾、第2弾と今回の「MUST GO」って、メッセージが結構繋がってるというか、KENJI03さんらしさが感じられます。でも歌詞は渡辺さんじゃないですか。そこは実際歌ってみていかがでしたか?
Hi-yunk:いい意味の泥臭さがこの楽曲にはあって、自分のバンドでもそういう表現をしてる楽曲もあったので、歌詞を書いてる人は違うけど、リンクする部分はすごくありました。難しいというよりもう共感した部分が多かったですね。
アイカ:聴かせてもらったらすごくカッコよくて。「MUST GO」を自分たちが歌うってなったときに、KENJI03さんが仮歌を歌っているデモをもらったんですけど、KENJI03さんのバージョンを聴きたくなったらいつもデモを聴いていたんですよ。だから今回カバーしてくれて、もう1回聴いたらずっと聴いちゃって。この前も帰りの電車の中で永遠にリピートしていました。
Hi-yunk:本当に(笑)?
アイカ:本当ですよ(笑)! それぐらい好きなんです。
Hi-yunk:豆柴に提供したときの仮歌って、全部僕が録ってるんですけど、キーが高いんですよ。だからカナリアみたいな声を出さないといけなくて(笑)。今回、いったん豆柴キーでもチャレンジしたんですけど、これはとんでもないなと。もう、クリスタルキングを超える勢いっていうか、「ピィィィー」みたいな感じになっちゃって。
ナオ・アイカ:あははははは(笑)。
Hi-yunk:ハイトーンっていうのは、もちろん自分の武器でもあるんですけど、必ずしも高けりゃいいっていうわけじゃなくて、自分に合った表現・表情が見えなかったら本末転倒だと思ったんで、その辺はシビアにキーを半音ずつ下げて合わせて行って、一番良かったのが1音半下げでした。だいぶ下げたなと思って歌ってみたら、さっき話したBメロの〈いつもいつでも〉の部分がやっぱりキーを下げても難しいなってすごく感じました。すごく難しい曲を与えてしまったなって。しかもそれを背負ってこれから突き進んでいくと思うと、とんでもない十字架を背負わせてしまったと思ってます(笑)。
ナオ:いやいやいや(笑)。
Hi-yunk:豆柴のファンの男性の方は、原曲キーはきついと思うので、僕のカバーバージョンでトライしてみたら豆柴の歌に近づけられると思います。
ナオ:そもそも、KENJI03さんがアルバムの中でセルフカバーの企画をやっている中で、まさか自分たちの曲が選ばれると思ってなかったです。今までたくさんプロデュースされてきてるのに、「豆柴の大群の曲も歌ってくれるんだ!?」って喜びがすごく強くて。アイカと一緒に初めて聴かせてもらったとき、めっちゃかっこよくて2人で「わああ~!」ってなりました(笑)。配信が始まってからも聴いてます。なんて素晴らしい曲を豆柴に与えてくださったんだろうと思って、本当にありがとうございます。
Hi-yunk:いえいえ、こちらこそありがとうございます。
――ご自分で歌ってるときに、「ここは誰が歌ってるパートだ」とか浮かんでくるんですか?
Hi-yunk:浮かんできますね。だからやっぱりさっきの〈いつもいつでも〉のところは、「ナオ、本当ごめんな」とか思って。
一同:(爆笑)。
Hi-yunk:あとアイカが歌ってる、〈君も連れて行くね〉っていう歌詞のところが、結構好きなんですよ。すごくエモいし、いろんな人が共感できるポイントかなって思います。
――アレンジについてはどんなことを考えましたか?
Hi-yunk:なんかもうちょっと自分寄りのサウンドに少し方向を持っていこうかなみたいな感じで、とりあえずギターを弾き直しました。あと、ハモを変えました。
ナオ:Dメロのところですよね?
Hi-yunk:そうそう。〈あぁ今まで歩いてきた道を〉っていうところ。あれ、ハモってたっけ?
アイカ:ハモってないです。
Hi-yunk:やっぱりグループなので、基本ユニゾンがメインになっていく中で、ハモリって入れればいいってもんじゃないと思ってて。4人の個性があるからこそ、いろんな情報量がある中でハモリを入れることによってクシャッてなったりとか、逆に個性が邪魔しちゃうと思ったりもするので。それでDメロのハモが入ってなかったと思うんですけど、今回は僕1人なので、直感的にハモリを入れたら、また新しい何かが聴こえ方がするっていう発見がありました。
――お2人はKENJI03さんのヴォーカルについてどう感じていますか?
ナオ:そもそも「MUST GO」の仮歌で、私たちのキーを歌えるっていうことがすごいですよね。男性なのにすごいハイトーンが出せるところがすごいと思うし、ソリッドな感じで疾走感あふれる歌い方がかっこいいなって何回も聴いて思いますね。
アイカ:声が綺麗だから耳にも残るし、あと本当にすごいなって思うのがハイトーンって歌詞が聞こえなくなるじゃないですか? でもそれが聴き取れるんですよね。本当に綺麗だなって思うし、羨ましい限りです。
――先日リリースされた、豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLのニューシングル「わんダーらんど」もKENJI03さんが作曲・編曲されていますが、表題曲はどうやって作ったんですか?
Hi-yunk:豆柴って、結構ターニングポイントいっぱいあるんですよね(笑)。「わんダーらんど」もまた新体制ということで。でもこれだけターニングポイントや新体制が多いグループって逆にマイナスがもうプラスに感じるというか、ここまできたら面白いなって。それこそ「わんダーらんど」は、新体制になって名前も変わったので、パーティチューンを作って欲しいって言われたんです。「バカ騒ぎ」っていう感じをイメージしたのが「わんダーらんど」です。それでクロちゃんに歌詞を書いていただきました。クロちゃん作詞・僕作曲っていう楽曲は何曲かあるんですけど、必ず同じパターンで、まずクロちゃんが紙に5枚ぐらいバーって、格言みたいな、サラリーマン川柳みたいなのを持ってくるんですよ。とりあえずそれを2人で見て、まず面白いワードを探すんです。それで曲を流しながら僕が鼻歌で合わせて行って、「これどうですか?」「ああ、いいっすね」っていう感じでパズルみたいに進めて行くんです。
ナオ:へえ~!
アイカ:すごい!
Hi-yunk:もう本当、ケミストリーでしたね(笑)。クロちゃんのワード・センスってすごく面白くて、一見意味がないように見えてメロディーをつけたらより深く見えたりするので詞としても勉強になります。やっぱりそれぞれの個性がすごく出てるっていうか。それこそ、アイカはカップリング曲の作詞をしてるけど、それもすごく面白い歌詞だったし、勉強になりました。
先日公開されたクロちゃんと豆柴の大群都内某所 a.k.a. MONSTERIDOLのインタヴュー
アイカ:ありがとうございます。「Shout out to good show!」(読み:塩とこしょう)はYouTubeで、新曲のパート割りの争奪戦をしようという企画があったんですけど、その曲の歌詞を1人ずつそれぞれ書いて、コンペ方式で選ばれたのが、わたしの歌詞でした。内容が塩とこしょうについて歌ってる曲なので、タイトルは英語なんですけど、なんとなく読むと“塩とこしょう”って読めるようになっています。
Hi-yunk:これは何について書いてるの? 完全に中華だよね?
アイカ:いや、チャーハンとかですね。
Hi-yunk:だから中華だよね(笑)。
アイカ:ああ、そうです中華です(笑)。一番が塩で、二番が胡椒なんですけど、この塩と胡椒が出て来たのは、KENJI03さんが仮歌で最初の〈ぱーらら ぱらら〉っていうところから、「ぱらぱらするものといえば…塩と胡椒」って浮かんだんです。
――ナオさんもKENJI03さんの作曲・編曲のソロ曲で詞を書いてますよね。
ナオ:はい、「FLASH BACK」という曲を書いてくださりました。
Hi-yunk:あれも難しい曲でしたね。
ナオ:難しいですけど、めっちゃカッコイイ曲になってるんで本当に歌うたびにすごくドキドキしてめっちゃ嬉しいです。
――難しいというのは?
Hi-yunk:いやだから、何も考えてないんですよね(笑)。単純に自分がいいと思う曲を作ってるだけっていうか。例えば、「アイドルだからこういう感じ」っていうのは嫌なんです。自分がやるんだったら自分も歌えるような曲がいいなと思うので。
――それで言うと、「MUST GO」はBACK-ONでもやれそうな曲ですよね。
Hi-yunk:そうなんですよね。それはデモの段階からすごく感じました。
――KENJI03さんは都内某所の曲も作られてたじゃないですか。 割とがっつりザ・アイドルな曲でしたけど、あれはどう考えて作っていたんですか?
Hi-yunk:豆柴と都内の曲を同時に作らせてもらった時期だったので、どうやって上手く棲み分けしようかなって思った中で、都内の曲は使うコードとかメロディーの動かし方とかに洋楽のR&B調を取り入れるとか、そこは少し意識しました。豆柴はどちらかというと、バンドに近いサウンドの中でどうやって作っていこうかなって考えていたんですけど、都内は打ち込みのイメージで、棲み分けができていたと思います。…まあ都内某所のメンバーもういなくなっちゃったけど。
ナオ:私たちの歌で頑張ります!
Hi-yunk:そうだよ、歌ってよ。
――今、グループが合併して都内某所の曲も歌われてるじゃないですか。 実際歌ってみていかがですか?
ナオ:やっぱり、豆柴のときとは違う感覚になるというか、それこそ歌ってる年数は豆柴の曲の方が長くなってるというのもありますけど、すごく新鮮な気持ちというか新しい曲を歌っているっていう感覚に近いかもしれないですね。
アイカ:うん、うん。
Hi-yunk:もはや“里子状態”ですよね。大切に育ててくださいよ?
ナオ:はい(笑)。都内某所のスピリッツを感じながら、今自分がMONSTERIDOLとして歌わせてもらっているので、それはこれからも大事に歌っていかなきゃいけないなって。
Hi-yunk:というより、これからどんどん染めてって欲しいですね。それを歌い継ぐっていうよりは、もう自分の色にしてほしい。
アイカ:あと都内の曲って高いんですよ。あと裏声系が多くて難しいんですよね。でも今はこの4人で歌うってなっているので…練習します(笑)。
ナオ:あと都内の曲はラップが結構多いかも知れないです。豆柴の曲は今までラップがなかったので新しい試みというか。メンバーのレオナ(エンパイア)とモモチ(・ンゲール)は結構ラップをやりたいってずっと言っていたんですよ。今ラップのパートをやっている方が多いので、すごくウキウキしながらやってますね(笑)。