2024/01/12 18:00

OTOTOY EDITOR'S CHOICE Vol.255

OTOTOY編集者の週替わりプレイリスト&コラム(毎週金曜日更新)


「私は人間じゃないので」

年が明けたのも束の間、すでに1月の2週目が終わろうとしています。時の流れの速さには毎度驚かされますね…… そんな感じで2023年もあっという間に過ぎ去ってしまいました。年末直前にインフルエンザにかかってしまうなど私生活がバタバタしていたのもあって、そういえばまだ2023年ベストみたいなものをゆっくり考えられていなかったので、今回はこの場をお借りしたいと思います。

どのようなテーマにしようかと悩んだのですが、総合的な振り返りは〈スタッフズ・チョイス〉があると思うので、よりひとつのジャンルに特化して「音声合成ソフトを使用した楽曲」から10曲選ばせていただきました (リリース順で並べています)。

曲としてのジャンルはバラバラですが、やはり通して聴いてみるといわゆる「ボカロらしさ」のようなものも感じられるところが、音声合成ソフト音楽の面白さだなあと改めて思います。“匿名M” や “人マニア”、“ボイドロイド” などはまさに「人間以外の何かが歌う曲」だからこそ感じられるある種の恐ろしさがあります。逆に “君が爆弾になる回” や “可ラッカのテーマ” のように情緒たっぷりのギターサウンド系の楽曲をソフトに歌わせることでなんとも言えないノスタルジーを喚起させます。感じさせるものは違えど、それが共通して「ボカロっぽいな」と思わせることの凄みを改めて実感しました。「ボーカロイド音楽」というジャンルとして確立されていますよね…… また、(私の好みということもありますが) どことなく退廃的でせつなさをおぼえる楽曲が多いことも特徴でしょうか。

そんな素晴らしいジャンルにもひとつ難点が…… それは「とにかく曲数が多い」こと! 毎日誰かしらが良い曲を作り出してインターネットにアップロードしてくれるので、本当に星の数ほどディグれてしまうのが怖いところです。2024年は一体どれだけの楽曲に出会えるのでしょうか、ワクワクしつつも少し怯えています!

この記事の筆者
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