「一瞬のインパクトに懸ける瞬間がある」──イサム(かずき山盛り) × るいまる&冬也(ビバラッシュ)
“アゲみ集団”を掲げるエンターテインメント・グループ、ビバラッシュ。彼らがとんでもないフェスを企てた! その名も〈アゲアゲJAPAN’24〉。別名、“異種格闘技”フェス。出演者は、ビバラッシュと同じくV系の枠で活躍するBabyKingdomのほか、KEYTALK / 夜の本気ダンス / バックドロップシンデレラ / かずき山盛りという意外な5組。ヴィジュアル系アーティスト × ロック・バンドによるノンジャンルのフェス型イベントというわけだ。
ほぼ初対面だという各出演バンドのフロントマンとビバラッシュのメンバー2名がイベント前に本音で語り合うこの連載。第3回目はかずき山盛りからイサム、ビバラッシュからはるいまる&冬也が登場。ジャンルは違えど近しいバイブスを持った両者が「アゲ」をキーワードにトークを展開していく。
〈ビバラッシュ Presents「アゲアゲJAPAN’24」〉
日付:2024年5月17日(金)
時間:16 : 30(OPEN) / 17 : 15(START)
場所:大阪・GORILLA HALL OSAKA
【出演者】
かずき山盛り/KEYTALK/バックドロップシンデレラ/ビバラッシュ/ BabyKingdom/夜の本気ダンス
料金 : 前売りチケット 5,000円 / 当日券 5,500円 ※ともに税込、ドリンク代別途
チケット:https://eplus.jp/vivarush/
ビバラッシュの直筆サイン色紙&チェキが3名に抽選で当たる!
応募フォーム:https://forms.gle/UWW6CaSpxr1mbXH98
※締切:2024年5月15日(水)23時59分まで
対談: イサム(かずき山盛り) × るいまる&冬也(ビバラッシュ)
"たけのこチルドレン"、 "チキンisうまい!"、"カラフルおしり"、 "シワくちゃギャルうぇぽん"、"怪獣ファイヤ"、"有頂天ラリアット" etc…。ビバラッシュとかずき山盛りの曲を並べてみたら、どっちがどっちの曲かわからなくなった。ビジュアル系とは交わることがないバンドがラインナップされた中、かずき山盛りはそれだけビバラッシュと近い感性を持った存在なのかもしれない。かずき山盛りのイサム(Vo/Ba)を前に、るいまる(Vo)と冬也(Ba)が告白した秘めたる想いとは?
取材・文:岡本貴之
おもしろいことをしようみたいなバンドがすごく好き
──みなさんは今回が初対面とのことですが、ビバラッシュがかずき山盛りへオファーした理由を教えてもらえますか?
るいまる(Vo):今回、〈アゲアゲJAPAN’24〉でビジュアル系以外のバンドさんもお招きしてイベントがしたいと思ったときに、いちばん最初のバンドミーティングで「かずき山盛りさんがいいね」って話していたんです。それでまず、かずき山盛りさんに出演してもらうことを前提に他の出演者さんをはめていったんです。
イサム(Vo/Ba):いやいや、全然間違ってるでしょ(笑)。
冬也(Ba):いや、マジなんですよ(笑)。
るいまる:サーキットイベントとかも観に行ったぐらい、かずき山盛りさんがすごく好きなんです。
イサム:ありがとうございます。それでインスタのDMをくれたんですね。
るいまる:そうです。1年前の夏に、「いつか一緒に対バンしてください」って。それぐらいすごく好きで。なので、僕のなかでは今回はドリームイベントっていうか、すごく楽しみです。
イサム:いやあ、嬉しいですね。
冬也:バンドのなかでも度々話題に上がってたんですよ。車を運転してるときに流れてたりとか、あとアー写とか。「メンバーの3人以外の人、誰!?」みたいな(笑)。
イサム:それめっちゃ言われます(笑)。
るいまる:そういう発想にめちゃめちゃ刺激を受ける部分が多くて。おもしろいことをしようみたいなバンドがすごく好きで、かずき山盛りさんからはもうめちゃくちゃそういう精神性を感じます。それと、かずき山盛りさんを見つけたきっかけがあるんですよ。
イサム:えっ! なんですか?
るいまる:僕、じつは本名がカズキなんです。それと、すき家で働いてたことがあるんですけど、並盛・大盛・特盛と自分の名前を合わせて検索したことがなぜかあって(笑)。そしたら「かずき山盛り」って出てきて、調べたらバンドで、聴いてみたらおもしろくてっていう(笑)。最初に『CRかずき山盛り』(ファースト・デモ・アルバム)を聴いたんですけど、そのなかに"琉球サンライズ"っていう曲があるから最初は沖縄のバンドだと思っていたんですよ。
イサム:それもしょっちゅう言われますね。
るいまる:「どこのバンドなんだろう?」と思って調べたら、大阪出身で(笑)。大阪のバンドなのに沖縄の曲を歌っているというところもおもしろいなと思って、そこからずっと聴き続けてます。
イサム:うわ~嬉しい!僕らよりかずき山盛りのこと知ってますね(笑)。
──イサムさんから見て、ビバラッシュはどんなバンドだと思ってますか。
イサム:普段、ビジュアル系のバンドを聴くことがないんですけど、ビバラッシュの曲を聴いたらすごくキャッチーだし、歌詞もおもしろいし、めちゃくちゃテンションが上がりますね。今日はじめておふたりにお会いする前は、ちょっと怖い感じでもっとビジュアル系してる感じかな、なめられないようにしなきゃと思っていたんですけど(笑)、実際にお会いしたらシャイな感じの優しい方たちで良かったです。
──オファーをもらったときはいかがでしたか? かなり意外でしたよね。
イサム:めちゃくちゃ嬉しかったですね。でも「なんでここに俺らなんやろう」っていうのは思ってたけど。
るいまる:いやもう、自分らがこういうイベントをやるときには、絶対に声をかけたいって思ってましたから。
イサム:この出演者を見ると、この6組ってクロスオーバーしてる感じがめっちゃあるなって思いました。全員、ライヴが盛り上げる系のバンドやったんで。
るいまる:そこはキーワードだったんです。僕らは「アゲみ集団」をコンセプトにやってるので、いろんな方と対バンさせていただくときも、やっぱりそのアゲ要素を持ったバンドにオファーしているんです。もちろん、なかには暗い曲というか、バラード系の曲もみなさん持ってらっしゃいますけど、やっぱりイベントのタイトル通り、「アゲ」をピックアップして、それを集中的に出してくれる方たちと今回は対バンをやりたいなと思って。それでかずき山盛りさんに声を掛けさせてもらいました。
イサム:(フライヤーを見ながら)これだけ見たらもうEDMフェスだけど(笑)。
るいまる:これ僕が作ったんです(笑)。こういうイメージのライヴにしたいなと思って。
イサム:マジすか? めっちゃいいですよね。
──かずき山盛りはどうやってできたバンドなんですか?
イサム:最初は大学のサークルで10-FEETとかSHANKのメロディック・パンク系の曲を3人でコピーしていたんですけど、サークル内で「今日だけはオリジナル曲やりましょう」みたいな日があったんです。僕は作詞作曲をしたことがなかったんですけど、そのときに"琉球サンライズ"とか何曲か作って披露したら、めちゃくちゃウケて。「これはイケるんちゃう!?」って、3人で大学の外でもやるようになりました。
──ジャンルは違うとはいえ、ビバラッシュと音楽的にはラウドな部分が重なる部分もあるんじゃないですか?
冬也:僕らは結構ラウドな曲もあるし、ハードめな音を鳴らしてるんですけど、多分そこに乗せてる歌詞が、僕らとはちょっとベクトルは違えど…。
イサム:(遮って)そうですか?
るいまる:ははははは(笑)。
冬也:たとえばビバラッシュの曲だと、「うんち」はOKで「ち〇こ」はダメっていう、自分たちなりのコンプライアンス的なノリがあるんですよ。でもかずき山盛りさんの曲は、僕らができないレベルで、「いくとこまでいっちゃうよ」っていうところがマジでおもしろくて。
るいまる:あと、1ステージのサプライズ感がすごいですよね。僕らも「今日のライヴはこれをやろう」とか、1ステージのサプライズをわりと大事にしてるんですよ。ジャンルは違うけれど、そこの目指しているベクトルとか感覚がすごく近いものがあるなと思って、結構参考にさせてもらってます。1回、LUUPで登場されてましたよね? 僕らもLUUPで出ようとしたことがあったんですけど、会場に制約があったので結局は"ナチュラルバイセコー"っていう曲で自転車で登場したんです。そのLUUPの話をしてたくらいのときにちょうどかずき山盛りさんのライヴ映像をたまたま見て、やっぱり発想や思考の方向が近いなって。そういうところが自分の楽しさをくすぐってくれるんです。
イサム:あれ観ましたよ、サカナクションの"バッハの旋律を夜に聴いたせいです。"のMVみたいなライヴ映像。
るいまる:ああ、リキッドルームでやった"踊らされた人生"ですね。
イサム:(るいまるは)楽器を持ってないじゃないですか? それを見て、「いいな、なんでもできるやん」と思いました。僕はベースを置かなあかんので。
るいまる:ああ、なるほど。僕らはマイクが邪魔になったらヘッドセットにするんです。
冬也:楽器陣もわりとあれこれ喋りながら動きたいので、全部ヘッドセットでやろうみたいな。
イサム:やっぱり、考えてるところが近いですね。「チャリで出よう」っていうのは、誰が言い出すんですか?
冬也:誰かが言って、みんなで決めます。チャリで出たときも、本当は演奏しながらるいまるがチャリに乗って、後ろに付けたリヤカーにメンバー全員が乗った状態で出たかったんですよ(笑)。
るいまる:でも会場NGで、床に傷を付けたら30万ぐらいな感じだったので、そう言われて仕方ないから諦めました。でもそういう部分は共通点としてあると思います。